先生という仕事
2010.02.26.00:44
昨年からモニターレッスンをはじめたこともあり、
「昔ピアノを習っていた」という方のレッスンをすることが増えました。
そこで驚くのは
演奏して頂くと過去の先生がどんな方だったかがすぐにわかるということ。
習っていた先生が優しく愛情深く生徒に対して肯定的な先生だった
(または先生と相性がよかった)
場合は、ピアノを弾いている時
とてもリラックスしています。
しかし。。
少しでも怖いところのある先生に習っていた方は
必ず動きに不自然なところがあったり、身体が緊張していたりするのです。
最もはっきりと現れるのは
その先生が絶対的にやってはいけないと
言ってみれば執拗に注意していたと思われる内容。
高校までピアノを習っていたKさんは
ピアノの音はきれいなのに、ペダルをバッタンバッタンあげて
ペダルの動く音が演奏を邪魔してしまうのでした。
聞いてみると、自分の中に
「ペダルをあげて!あげて!」と昔の先生のヒステリックな声が
していたとのこと。
会社勤めをしながら、ピアノを教えているというSさんは
片方の人差し指の関節だけが発達していて
その音だけ不自然に力をいれて弾いていました。
その指は先生に「弱い」「もっと音をだして」と言われた指だったそうです。
子供の頃ピアノのおけいこが嫌いで一回やめて
大人になってもう一度ピアノをやろうとおけいこに通い始めたOさんは
いつもピアノをひくと左手の手首が痛くなると言いました。
みると左の手首にぎゅっと力をいれて手首を圧迫して弾いていました。
「先生が左側にいつもいましたか?左手をたくさん注意されましたか?」と
聞くと
「先生はいつも左側にいて怖かった。
左手をたたかれたことがあります」とお返事がかえってきました。
ここまでで、先生が「嫌悪感をもって注意すること」や
何かに「こだわりすぎること」、厳しく接することなどが
どんなに危険かを思い知った私でしたが
この問題はもっとデリケートだと先日知りました。
先日いらしたのは、音大をでてピアノ教室をひらいているEさん。
今までの先生との思い出について伺うと
厳しかったけれど、手の形はほめられていたし
そんなに辛かった覚えはないとのお答えでした。
しかし実際弾いて頂くと
右に比べ左手の肘や肩に力がはいって、なかなか弦の振動が感じられません。
入っている力をその場で抜くことができる簡単なエクササイズをしながら
「先生はいつもどちらにいましたか?」と聞くと
「左です。」とのこと。
そしてEさんがこう言いました。
「先生はただ横にいただけでしたが、
どこを直すつもりだろう、どこを注意するつもりだろうと
いつも身構えて弾いていました。」と。
自分を肯定的にみていないかもしれない、、、と思うだけで
生徒の身体がそんなにも緊張するなんて。
(しかも、いないときもそうなっているなんて)
教える側は自分がそこまでの影響を与えているとは
なかなか思い至らないものですよね。
自分の与えた影響が、その後何年も(場合によっては何十年も)
相手の身体に残ってしまうなんて。
その方に会ってから、「直そう」という思いで
レッスンにのぞんでいないか、前にも増して心の中をチェックするように
していますが、「上手にしたい」という思いが強ければ強いほど
「直したい」衝動にかられるのだと思い知りました。
けれど、それに気づいて「どんな演奏にもまず肯定的な受け止め方を」と
思うようになると、その方が生徒が伸びることに気づきました。
みんなちゃんとそれぞれの中に力があるのに
それが、自分に対するイメージの悪さだったり、身体の緊張だったり
音の聞こえ方の問題だったり、音に対する認識の甘さだったり
「なんらかの原因」で力がうまく外にでていないだけなんですね。
その「なんらかの原因」をただ静かに解決してあげれば
その人の音楽をなおしたりいじったりしなくても
自然に音楽は美しくなっていくのだと実感するようになりました。
昔、私のとても尊敬する先生がおっしゃっていました。
「教えるということは、その人の中の力を引き出すこと。」
とても深い言葉です。
あれから何回わかったつもりになっても、
まだ「教えすぎている」と何回でも思う。
人にものを教えるというのは、本当にデリケートで奥深い仕事ですね。
♪ちなみに、(今のところですが)今回ご紹介したような問題はほとんどの場合
心や身体に対しての簡単なアプローチで全部解決可能でした。
ピアノ演奏について「この問題は?」と思うようなことがある方は、
お問い合わせくださいね。
無料モニターレッスンだけで解決して、すっきりして帰られる方も
何人もいらっしゃいます。
私で解決できない場合でも、解決してくれそうな先についての
ご相談にのれるかもしれませんから、お気軽にどうぞ♪
「昔ピアノを習っていた」という方のレッスンをすることが増えました。
そこで驚くのは
演奏して頂くと過去の先生がどんな方だったかがすぐにわかるということ。
習っていた先生が優しく愛情深く生徒に対して肯定的な先生だった
(または先生と相性がよかった)
場合は、ピアノを弾いている時
とてもリラックスしています。
しかし。。
少しでも怖いところのある先生に習っていた方は
必ず動きに不自然なところがあったり、身体が緊張していたりするのです。
最もはっきりと現れるのは
その先生が絶対的にやってはいけないと
言ってみれば執拗に注意していたと思われる内容。
高校までピアノを習っていたKさんは
ピアノの音はきれいなのに、ペダルをバッタンバッタンあげて
ペダルの動く音が演奏を邪魔してしまうのでした。
聞いてみると、自分の中に
「ペダルをあげて!あげて!」と昔の先生のヒステリックな声が
していたとのこと。
会社勤めをしながら、ピアノを教えているというSさんは
片方の人差し指の関節だけが発達していて
その音だけ不自然に力をいれて弾いていました。
その指は先生に「弱い」「もっと音をだして」と言われた指だったそうです。
子供の頃ピアノのおけいこが嫌いで一回やめて
大人になってもう一度ピアノをやろうとおけいこに通い始めたOさんは
いつもピアノをひくと左手の手首が痛くなると言いました。
みると左の手首にぎゅっと力をいれて手首を圧迫して弾いていました。
「先生が左側にいつもいましたか?左手をたくさん注意されましたか?」と
聞くと
「先生はいつも左側にいて怖かった。
左手をたたかれたことがあります」とお返事がかえってきました。
ここまでで、先生が「嫌悪感をもって注意すること」や
何かに「こだわりすぎること」、厳しく接することなどが
どんなに危険かを思い知った私でしたが
この問題はもっとデリケートだと先日知りました。
先日いらしたのは、音大をでてピアノ教室をひらいているEさん。
今までの先生との思い出について伺うと
厳しかったけれど、手の形はほめられていたし
そんなに辛かった覚えはないとのお答えでした。
しかし実際弾いて頂くと
右に比べ左手の肘や肩に力がはいって、なかなか弦の振動が感じられません。
入っている力をその場で抜くことができる簡単なエクササイズをしながら
「先生はいつもどちらにいましたか?」と聞くと
「左です。」とのこと。
そしてEさんがこう言いました。
「先生はただ横にいただけでしたが、
どこを直すつもりだろう、どこを注意するつもりだろうと
いつも身構えて弾いていました。」と。
自分を肯定的にみていないかもしれない、、、と思うだけで
生徒の身体がそんなにも緊張するなんて。
(しかも、いないときもそうなっているなんて)
教える側は自分がそこまでの影響を与えているとは
なかなか思い至らないものですよね。
自分の与えた影響が、その後何年も(場合によっては何十年も)
相手の身体に残ってしまうなんて。
その方に会ってから、「直そう」という思いで
レッスンにのぞんでいないか、前にも増して心の中をチェックするように
していますが、「上手にしたい」という思いが強ければ強いほど
「直したい」衝動にかられるのだと思い知りました。
けれど、それに気づいて「どんな演奏にもまず肯定的な受け止め方を」と
思うようになると、その方が生徒が伸びることに気づきました。
みんなちゃんとそれぞれの中に力があるのに
それが、自分に対するイメージの悪さだったり、身体の緊張だったり
音の聞こえ方の問題だったり、音に対する認識の甘さだったり
「なんらかの原因」で力がうまく外にでていないだけなんですね。
その「なんらかの原因」をただ静かに解決してあげれば
その人の音楽をなおしたりいじったりしなくても
自然に音楽は美しくなっていくのだと実感するようになりました。
昔、私のとても尊敬する先生がおっしゃっていました。
「教えるということは、その人の中の力を引き出すこと。」
とても深い言葉です。
あれから何回わかったつもりになっても、
まだ「教えすぎている」と何回でも思う。
人にものを教えるというのは、本当にデリケートで奥深い仕事ですね。
♪ちなみに、(今のところですが)今回ご紹介したような問題はほとんどの場合
心や身体に対しての簡単なアプローチで全部解決可能でした。
ピアノ演奏について「この問題は?」と思うようなことがある方は、
お問い合わせくださいね。
無料モニターレッスンだけで解決して、すっきりして帰られる方も
何人もいらっしゃいます。
私で解決できない場合でも、解決してくれそうな先についての
ご相談にのれるかもしれませんから、お気軽にどうぞ♪
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