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魅力をひきだすお手伝い

2012.06.13.12:13

ここ近年、ピアノ演奏をするための筋肉の働きについて勉強しながら
「何かに気をつけながら弾く」のではなく
「気をつけないけれど、思ったように身体が使えるようになる」ための
全身のエクササイズを取り入れたレッスンを考えてきました。

ピアノ演奏は、「手の形」にフォーカスしがちですが
「手の形」は全体の身体の状態の結果なので
手の形を気をつけることで、身体の他の部分にかえって
緊張を作ってしまうことがあります。

なので、私は「手の形や使い方」に気をつけるのではなく
「手の形」がよくなり、「気持ちよく使える」状態に
全身を整えてく方法をとっています。

具体的に言うと、「手首をあげて力を入れて弾く」人は
わきがしまって、腕が縮んでいるわけで
まずはそこを解放。
けれど、わきが絞まるのも、腕が縮むのも
骨盤の緊張や背中のこわばりが原因だったりするので
そこも解放。
しかししかし、骨盤や背中がこわばるのは
足が機能していないからなので足の感覚を高めることをして、、、

といった具合です。

そうやって、全身がきちんと機能するようにレッスンしていくと
演奏しやすくなって、音がよくなり、演奏そのものも
活き活きとしてくるのですが
最近それだけではないことがわかりました。

身体のこわばりは、どうやらその方の鎧のようなものらしく
それがほどけていくと、その人の本当の魅力のようなものが
表にあらわれてくるようなのです。

なぜそう思ったかというと、
はじめ見かけや話し方と一致している演奏だなと
思っていても、レッスンしているうちに
その人の違う一面が現れてくることがあるのです。
(とくに大人の方です)

それもキラキラしたいきいきした一面が。

演奏も練習の仕方も「ガッツ系」だったのに
レッスンしていくうちに、繊細なキラキラした演奏になったり
思考優先で「ミスをしないぞ!」とばかりにシューティングゲーム的に
打鍵している感じの演奏が
広がりと柔らかさのある演奏になったり

驚くような変化を遂げて行くのです。

そうした時に、ご本人にその音の感想を聞くと
その新しく現れてきた音こそが「出したかった音」だと
おっしゃるのでした。

考えてみれば、私も長いこと
「この音じゃない!」と思いながらピアノを弾いてきて
身体を解放していくことで「そうそう!これこれ!」という
音に変わっていきました。

身体を解放するレッスンの面白いところは
「こういう感じにもっていく」というのではなく
「その方が辿り着きたいところに辿り着く」というところ。

その方の素敵な一面をひきだすお手伝いができるなんて
なんて楽しいのでしょう。

ますますレッスンが面白くなっています☆
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やりたいことをやるためには

2012.06.12.12:59

四月から徐々にレッスンをはじめ、やっと生活が軌道にのってきましたが
やはり慣れない育児をしながら仕事をする
生活は忙しいです。(もちろん楽しいのですけれど)

やることがたくさんあるのに、何もできないまま一日が
おわることも多々あります。

そんな毎日を過ごす中で、ある生徒のレッスンで
なるほどと思うことがありました。

小学校五年生のMちゃんは、とにかく弾けるようになりたい曲が
たくさんある子です。

曲に憧れるだけでなく、憧れの曲を耳でコピーしてきて
なんとか弾けるようにしようとします。

小ニでピアノをはじめた彼女は
小三のとき、まだやっと両手奏に慣れたばかりの頃に
「エリーゼのために」を弾きたいと言って
学童保育の先生が弾いているのを見て覚えて
弾いてきました。

もともと耳で聴いて弾くのが得意だったのもあり
「エリーゼのために」の終わりの難しい部分も含め
7割以上弾いてきたので(もちろん、少しの音の間違いや
指遣いの問題はありましたが)
おけいこでも、やることにしました。

「今日はこの和音を二つだけ覚えよう」とか
「この二小節だけ正しく弾いてこよう」とか
そんな感じに少しずつレッスンがすすみ、
曲の仕上がりは途方もないものに思えましたが
彼女は諦めることなく、飽きることもなく
最後まで完全にマスターして、小四の夏の
発表会のステージで堂々と美しく演奏をしました。

そんなMちゃん。やりたい曲には、それほどの情熱を燃やしますが
好みではない曲は、魂がぬけたような状態になります。笑。

ちょっと子供向けの匂いがする曲は
「恥ずかしくて、どうしても弾けない。。」とうつむきます。笑。

そして、最近のレッスンで新曲の譜読みをしたときのこと。
新しいところを楽譜三段分、レッスンの時間一杯にみっちり
やったのに、次の週、三段のうち一番下の段だけ
練習してきました。

「え?上の二段はなんで弾かなかったの?」と聞くと
「だって、三段目のメロディーがすごく好みだったから」
とのこと。。

あまりの正直さに、驚くとともに感動してしまった私。
(それもおかしい?笑。)

「上の二段も弾けるようになったほうがいいけど、
でも、Mちゃんのそういう正直なとこ、先生大好きよ」と
笑って言うと、Mちゃんは笑いながら
「よく正直すぎるって言われるよ」と言いました。

そこで、思ったのです。

彼女の「できるようにしたいことを最後まで貫けるパワーの源」は
この正直さにあるんじゃないかって。

もちろん、やるべきことをきちんとやってくる力も大切。

けれど、時間もエネルギーも有限。

やりたいことを思い切りやるためには
他のものを切り捨てることも必要だったりする。

「やらなければならないこと」「やるべきこと」「やったほうがいいこと」
というようなところに、時間やエネルギーをもっていかれて
「本当にやりたいこと」が後回しになってしまうことって
よくありますよね。

毎日が忙しくなった今、「ねばならない」ことに追われがちな今
「本当に今やりたいこと」を置き去りにしないように
するには、時にはMちゃんのように正直に
いろいろなことを放り出して「本当にやりたいこと最優先する」という
ようなことをしてみることが必要なのかなと思いました。

家事や「どちらかといえばやったほうがいいこと」、、みたいな
雑事を放り出して、今しかない赤ちゃん時代の娘と思いきり遊んだり
曲を書いたり弾いたり、、自分が今、一番やりたい!と思ったことを
思い切りやる日を意識的に作ってみようと思った私でした。

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プロフィール

篠原みな子

Author:篠原みな子
作曲・編曲家/ピアニスト
2006/11/11にファーストアルバム「Whispers of Fairies」をリリース

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