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行動の動機

2012.08.10.11:44

レッスンにいらしている方のお話。

とても熱心な方で「ピアノを本格的にやりたい」と
入門していらっしゃいました。

ところが。

はじめてすぐに、手が痛いと言いだしました。

もともと、すごく傾いたフォームで弾いていて
入門してきたときも、自分でハノンをちょっと弾いたら
腰が痛くて動けなくなったとおっしゃっていたので
いろいろ身体のアドバイスをしていたのですが
間に合わず。。

それから、あれこれ手を尽くしてレッスンしましたが
手が痛いのは治らず、ご本人は気持ちが焦るばかり。
「せっかく、本気ではじめようと思ったのに!」

そこで私は彼女に言いました。

「そんなに痛いってことは、きっと本当はピアノが
弾きたくないんだと思う」

この「本当は」というのは、潜在意識でという
意味です。

自分では「やりたい」と思っているつもりでも
潜在意識でブレーキをかけるような考えを持っていると
どこかが痛くなったり、できない事情ができたりする、、と
何かの本で読んだことがあった私は
「何か弾きたくない理由あるんじゃない?」と
彼女に聞きました。


すると彼女には過去に音楽に関するとてもネガティブな
記憶があることがわかりました。

それらの記憶や感情をちょっとした方法で
クリーニングしたら、、、
少しずつ痛みが弾いて、普通に弾けるようになりました。

しかし。。

その後、調子もでてきて、さらに頑張ろうと思った矢先
彼女は今度は体調を崩しました。

あまりに具合が悪くて、レッスンに来ることもままならなく
なりました。
もう精神的にも参って、薬を飲まないといけない、、という
ところまできたとき
私は彼女にまた言いました。

「たぶん、あなたはピアノを本格的にやりたくないんだと思う。」

これもまた、潜在的なところの話ですが。。

そして
「本格的にピアノをやりたいと思った動機は何?」と
聞いてみました。
はじめは、前向きな理由がいくつもでてきましたが
どんどん掘り下げて話を聞くうちに
「自分がダメではないと証明したかった」というところに
辿り着きました。

これもまた、潜在的なところで、、という話なのですが。

ダメではないと証明したかったということは
それほど自分をダメだと思っているということ。

ネガティブな動機からはじめたことは、
ネガティブな結果を運んでくるという話を
聞いたことがあります。

「自分はダメだ。それを何とかしないと」という
動機から始めた行為は
最終的に「やっぱり自分はダメだ」という結果を
運んでくる。
だから物事をはじめる「動機」はとても大事だと
私は彼女に伝えました。

その話をすると、彼女はとても納得して
意気込んで「本格的に」ピアノをやるのではなく
自分なりに自分の心が喜ぶように音楽を学んでいくことにする
という結論をだされました。

そして、ほどなく彼女の心は元気を取り戻し
少しずつですがレッスンに来られるようになりました。

他人からみると、彼女はちっともダメな人ではありません。
努力家だし、音楽のセンスもあるし、心優しくチャーミングで
とっても素敵な方なんです。

彼女が、自分の心が喜ぶ形で音楽を学ぶことで
自分の素晴らしさに気づいていってくれるといいなと
思っています。

この話、実は人ごとではありません。

私も同じように、「自分はダメなんじゃないか」という
思いを振り払うために
いろんな努力をがむしゃらにした時期があります。

そして、結果は彼女と全く同じでした。笑。
(だから、彼女の中に何が起きているかピンときたのですが)

何かをはじめるとき
自分の心によく耳をすませて
「何をおもってはじめるのか」を己に問うことは
とても大切なことだと改めに実感しました。
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先生の責任

2012.08.09.11:53

レッスンにいらしているOLさんのKさん。

ピアノがとても大好きで、熱心な方です。

ご本人も「ピアノが大好き」とおっしゃるのですが
演奏している時の顔がいつも
浮かない顔。

大好きな曲を弾いているはずなのに
とてもそうとは思えない、気乗りしない音。

「心の内にある気持ちが、うまく外に表現できるように
なるといいね」ということを少し伝えると
「音楽に浸って表現するのが、恥ずかしい感じがして
なんだか斜に構えた感じになってしまう」とのこと。

私は、はじめは音が聴こえにくいことが原因で
心が込められないのかなと思って
身体を緩めていくアプローチをたくさんしました。

結果、音もよくなり演奏に活気はでてきて
少し心を込められるようになったものの
彼女の演奏からは
ため息が聴こえてくるような憂鬱な感じが
消えませんでした。

う〜ん。。。
なんでだ〜??????

私は思いきって聞いてみました。

「なんだか、『仕方ない』と何かを諦めて
弾いているように見えるんだけど、
何か心当たりある?」

すると。。

昔、ピアノを習っていたときに
上手ではないのに曲が仕上がっていくことに
むなしさを感じたそうで。
これ以上、自分は上手に弾くことはできない。
才能がないのだ、この演奏で諦めるしかないと。

現時点で、彼女の演奏はとてもよくなっていて
本人も満足するものになっているのに
この気持ちだけが記憶として彼女の中に残っていて
彼女の演奏を曇らせていたのでした。

そこで、治療師さんに教えてもらった
EFThttp://ja.wikipedia.org/wiki/EFT
の手法で(本格的ではないのですが)、
この感情を手放してもらうことにしました。

感情を手放した後、彼女の目からは涙がこぼれ
「私、悲しかったんだと思います」と
おっしゃっていました。

そして、そのあと演奏をしてもらうと
彼女の表情は輝き、音はウキウキと鳴り響きました。

演奏が終わったときに見せてくれた
Kさんの楽しそうな笑顔。本当に素敵でした。

先生にとっては、曲の仕上げは小さなことですが
生徒にとっては、とっても大きな問題であると
実感しました。

本人が納得していない状態で、仕上げることは
相手の希望を奪うこともあるのですね。

生徒が満足する形で曲を仕上げていく
これは、私自身レッスンで一番大事にしていることですが
本当にこれがどんなに重要なことなのかを
改めて感じました。

そして、先生という職業の責任の重さも。

ピアノのレッスンは相手の感性を素手でさわるデリケートな仕事であり
一歩間違えると、相手の可能性を制限してしまうこともあるもの。

これからも、さらに気を引き締めてレッスンをしたいと思います。

繋がる

2012.08.07.11:17

先日、北海道の方がレッスンモニターにいらっしゃいました。

偶然ネットで私のホームページを見て、ピンときていらしたようです。

趣味で演奏している女性でしたが、コンクールに挑戦するなど
とても意欲的な方でした。

ピアノが大好きで、「上手になりたい!練習ならいくらでもする!」という
意気込みでいるのに、弾いても弾いても音が響くようにならない
緊張すると音が浮いてしまう、音をよく聴くようにといわれても
うまく耳でキャッチできないという悩みを抱えていました。

彼女は「これらは身体の使い方に何か問題があって起こっているのでは」と
考え、自分で本を買って身体のことも勉強していました。
しかし本を読んで、意味がわかっても
どうしたらそれを演奏に反映させられるのかがわからないと
思っていたときに、私のホームページに辿り着いたとのこと。

悩んで勉強した末にいらしただけあって
レッスンにいらっしゃると内容をぐんぐん吸収して
抱えていた悩みをどんどん解決して
最後にはピカピカの笑顔で帰っていきました。

身近な人に声をかけて始めたモニターレッスン、
とうとう北海道の人と繋がってしまった♪と
楽しい気持ちになりました。

情報が本当に欲しいと思えば、どんなに遠い人とでも
繋がることができるのですよね。

そういえば。。。。

私の手が壊れて完全にピアノが弾けなくなった
2008年。本気でこの問題に取り組もうと思って
はじめに繋がったのは、岡山に住む川井弘子先生http://www.hirokokawai.com/)でした。

そのあと繋がったのは、スペインに住む(たまたま来日していた)
ファリアス・ホアキン博士
http://www.focaldystonia.net/jp/test-j.htmlでした。

このお二人に出会うことで、自分の身体の問題の本質がどこに
あるのかがわかり、その後の道がどんどん開けました。
そして、それが今のレッスンに繋がっています。

「心から望んでいれば、必ず必要な情報に繋がることができる。
それが世界のどこに住む人であろうとも」と思うと
なんだかとても楽しい気持ちになり勇気がわいてきます。

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プロフィール

篠原みな子

Author:篠原みな子
作曲・編曲家/ピアニスト
2006/11/11にファーストアルバム「Whispers of Fairies」をリリース

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