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ピアノ演奏の本番前に緊張したらどうするか

2024.01.24.09:44

演奏会や発表会前に、すごく緊張することがありますよね。

私の教室の発表会で、よく見られるのは「発表会一週間前に下手になる」という
現象。

心身の緊張から、いつものように身体が動かなくなってしまうのだと思います。
この現象、酷いと体調不良さえ引き起こすこともあり
悩んでいる人も多いはず。

こんな時にまず一番大事なことは、焦って弾かないこと。
力んだ体で練習すると、脳がどんどん力んだ状態を覚えてしまい
それまでせっかく良い状態で記憶してきた運動命令が、どんどん力む方向へ
書き換えられてしまいます。

緊張でうまく弾けない!と感じた時は
弾かずに楽譜を眺めたり、脳内で音をプレイバックしたり
動きを確認したりしましょう。
すると、自分の身体がいつもと大きく違ってガチガチであることが
より具体的に認識できるはず。

認識できたら、イメージの中で身体の緊張なく演奏する
練習をしましょう。
呼吸をして肋骨を大きく動かしながらやると、「リラックスした動き」が想像しやすくなります。

しかし。

「いやいや。緊張しないようにイメージするって言ったって、
そんなのできないよ。それができたら苦労しないよ。」

そんな人もいますよね。きっと。
私もずっとそう思ってきました。

そんな人におすすめなのは。。

「怖くない」とか「頑張れ」とか自分の気持ちを奮い立たせるのは
やめて、もうこの際、「怖い」「緊張する」「いやだ」という
身体をこわばせる気持ちを感じ切ってしまうこと。

多くの場合、「怖い」という気持ちを「感じないように」
脳が体に緊張の運動命令を出しています。

だから、「恐怖を感じきってしまう」ことで「感じたくないもの」が
なくなってしまえば、身体を緊張させる必要がなくなるので、
自然と身体がゆるむのです。

そこまでやってダメな人は。。。

過去の悪しき記憶にやられているという可能性を考えましょう。
記憶はおそらく神経系を通して、体で表現されているのでは
ないかと私は考えています。
そして、その体で表現されている記憶が
演奏の邪魔をする、、というのは、音大を出たような人に
よく見られるものです。

そんな時は。

もしも自分の中に自分を脅かす声が聞こえたら、
イメージの中でそれを袋に詰めて宇宙空間に投げてしまうとか。。
背骨の中に何か良からぬものが入っている感じがするなら
イメージの中でそれを注射器か何かで抜き取って、代わりに光を
注入するイメージをするとか。。

そんなことが役に立ちます。
イメージは、なんでも OK。
とにかく、「それはいらない」と意思表示できるイメージをします。

「イメージでそんなことができるの?」と疑わしいかもしれませんが
脳の制御において「運動イメージ」は、「運動の準備」とほぼ同等のものなので
運動イメージ(「緊張」は、身体を硬直させる運動命令が出された状態なので運動と考える)における
不要なものを「いらない!」と自分の中で宣言し、「良い状態の運動イメージ」に書き換えることで
運動準備が変わり、実際の運動が変わります。
(実際の運動実行中の運動命令の変更は、運動制御の関係で書き換えが難しいので
イメージで、、というところがポイントです)

以前、ピアノの先生から、生徒さんがコンクール前に心身の緊張から
演奏ができなくなってしまって、、と相談を受けた時
こういった方法がとても役に立ちました。

後日、その生徒さん、コンクールの日、落ち着いて演奏して入賞したと
聞きました。

私は、自分でも、そして発表会前のレッスンでも、これをつかいます。

よかったら、試してみてくださいね。




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ピアノ演奏のミスタッチを減らしたいと思う時に効果的な方法

2024.01.23.11:29

先日のレッスンでのこと。

取り扱ったのは、ショパンのエチュード。
「何にお困りですか?と尋ねると
「何回弾いても音が外れてしまう。私はミスタッチしないように注意しているのに」という
お答えが返ってきました。

実は、脳にとって「ミスタッチをしない」って、とても曖昧なオーダー。

「どんな風に指を動かしたいのか」
「どんな音を出したいのか」
という具体的なオーダー(イメージ)には、脳は答えてくれるけれど
「ミスタッチしない」という漠然としたオーダーには

「じゃあ、音が外れなければなんでもいいんだよね?」

という応答をする。それが脳です。

実際に、ミスタッチに気をつけた途端に、音楽性が失われたり
むしろ気持ちが萎縮して音を外れたり、、ということ
よくありますよね。

考えてみたら、「どうしたいのか」を教えてもらえずに
「ミスなく仕事をしてね」と言われたら、誰でも困りますよね?

だから、脳は、常に「どんな風にしたいのか」という具体的な状態を
教えてもらいたいのです。

そのレッスンでまずやったことは
「ミスタッチをしないように気をつけよう」と思った時に
身体がどんな反応をするのか確認してもらうこと。

観察してもらうと、、、「肩を緊張させたり、指を緊張させたり、
背中を緊張させたり、息を止めたり、、」
脳が、多分良かれと思って、それらしい命令を出してくれて
いるのかもしれないけれど、、、
とても役に立つとは思えない運動命令をたくさん出している
ということがわかりました。

多分「鍵盤から外れない」=「身体を固定しよう」
ということなのだろうと思います。

そこで「それ、役に立ちそう?」と質問したら
その方は苦笑い。

この苦笑いが大事。
無意識に出されているこの運動命令に
「それは、、さすがにダメじゃない?」と「自分で思う」ことこそが
運動命令を解除できる唯一の方法だから。

次に、その方に「私が、どんな風にどのぐらいミスタッチするかを見届けるから
盛大にミスタッチするところを見せてくださいね。そしてあなたも、自分がどこでどう
ミスをするのかよくよく観察しながら弾いてくださいね。」とお願いして
弾いてもらったら、、ほとんどのミスタッチが消えてしまいました。

おそらく、もう十分に練習はしていたのに
自分の思考で曲の仕上がりを邪魔してしまっていたのでしょう。

その方は、弾き終わった後、言葉を失うほどびっくりしていらっしゃいました。笑。

ここでのポイントは、「どうミスするのか」を検証しようとしたこと。
検証は「正しい状態イメージ」(この場合はミスタッチのない演奏)を抱きつつ、それと目の前の現象がどう
違うのかをすり合わせること。
「ミスしないように」は、「ミスした状態」を思い浮かべるけれど
「どうミスするのかを検証する」は、「正しい状態」を思い浮かべますよね。

ここに大きな違いがあるのです。

このレッスンで行ったのは、脳に対して
「まず、今までのやり方は、ちょっと役に立たないみたいだよ」と知らせて
「こんな風に身体が動いて、こんな音がするといいな」という具体的なイメージを
明確に知らせるということ。

脳が自分のオーダーに答えてくれるようにするためには
とにかく「具体的でわかりやすいオーダー」が必要なのです。


この手法は、ピアノ初歩の幼児、小学生でも有効。
「間違えたくない!」と思っているのに、ミス連発の子に
「じゃあ、どの音でどんな風に間違えたか、あとで教えてね!」と
声をかけるだけで、ミスが無くなること、とても多いです。笑。

ぜひ、試して見てくださいね。




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プロフィール

篠原みな子

Author:篠原みな子
作曲・編曲家/ピアニスト
2006/11/11にファーストアルバム「Whispers of Fairies」をリリース

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