「どうしても身体の力が抜けない」と思った時に、まずすべきこと
2022.09.06.13:48
前回のブログで指が痛い人は横隔膜が緊張していると書きました。
横隔膜の緊張に気づくだけで、大きな変化がある人もいますが、実はそうでもない人もいます。
その違いは「演奏中、下半身がどのぐらい機能しているか」ということにあります。
下半身が機能している時、身体全体はその働きに支えられるため、上半身には力が入りません。
ヒトの身体は、下半身が機能していれば、上半身を自由に使って作業ができるようにできているのです。
どうやっても横隔膜が緩まない、「みぞおち」が緩まないということは
下半身が身体をうまく支えておらず、上半身が頑張っているという証拠です。
下半身が身体を支えていないのに(=機能していないのに)、上半身まで緩めたら
私たちは椅子から落ちてしまいます。
人の脳は「私たちが転倒して怪我をしたり命を落としたりしないように」
常に見張っており、働いているので、下半身が働いていない時には絶対に
上半身が緩むことを許しません。
では下半身が機能するとはどういうことでしょう。
座っている時には身体の重さは椅子の座面に伝えられます。
つまり立っている時の足のような働きをお尻が担います。
立っている時、足が不安定だったり、変な位置にあったら身体が支えられないように
座っている時には、お尻=骨盤が不安的だったり、変な位置にあったら
身体をうまく支えることができません。
骨盤は、足のように自由に動いて自分でバランスを取ることはできず
骨盤のバランスは脚と足部(靴を履く部分)によってとられます。
つまり座った時に「下半身が機能する」とは、骨盤を脚と足部(靴を履く部分)が
しっかりと支え適切な位置にコントロールしてくれる状態のことを言います。
足をつかずにフワフワのソファなどに座った時に、身体をうまく
支えられなかったことがありませんか。そして、その状態で身体を支えようとした時
上半身に力が入ったのではないでしょうか。
これが下半身が機能していない状態です。
演奏中に下半身が機能しない時、程度は違いますが、これと同じことが起きています。
同じ状態でも足を床に着くと、状況は変わります。
足部と脚が骨盤を支えてくれ、コントロールもしてくれるので
上半身の緊張もかなり軽減されます。
このように下半身の働きは上半身に大きな影響を与えます。
私たちは演奏中、床に足を着いているように見えますが
(本当に着いていない人も時々いらっしゃいますが)
実はあまり機能していないことが多いようです。
ピアノ演奏には、下半身を緊張させてしまう可能性がたくさんあります。
ずっと膝を曲げて座っているため、膝周りの筋肉が硬くなって動きにくくなったり、、
精神的な影響でお尻に力が入ったり(大臀筋と繋がる靭帯は脛の骨まで繋がっています)
眉間にシワを寄せることで背骨の一番下の骨である仙骨まで動かなくなったり(眉と背骨は筋膜レベルでつながっています)
とにかく油断すると、すぐに下半身が機能しなくなりがちです。
下半身が機能しないまま練習していると、それはどんどん強化されてしまうので
身体の緊張が気になるならば、まずは、太腿、膝下、足部の筋肉を緩めましょう。
はじめに、太腿とお尻を伸ばします。
脚を前後にずらした状態て立って、前屈しましょう。
難しいことは考えないで、とにかく太腿の後ろとお尻を伸ばしましょう。
足は交代して、両方行いましょう。
はじめに右足を前に出したなら、次は左足を前に出して行いましょう。
それができたら、今度は体育の授業でやるような「アキレス腱伸ばし」を行い
ふくらはぎを伸ばしましょう。
アキレス腱はふくらはぎの筋肉から繋がっている腱です。
アキレス腱につながる筋肉の一つ(腓腹筋)は、膝の屈曲の働きを持っていますから
アキレス腱伸ばしの姿勢で、ふくらはぎが伸びたら、膝も伸ばしていきましょう。
もしも痛くてできなかったら、決して無理をせず
アキレス腱伸ばしの姿勢のまま、動きだけ想像してみてください。
そのときに身体のあちこちが緊張することでしょう。
それを感じながら、アキレス腱伸ばしをイメージしながらも、ふくらはぎや太腿、、それ以外にも
身体の緊張が起こらないようにイメージの練習をしましょう。
イメージしても緊張が起こらなくなれば、実際の運動もスムーズにできるはずです。
仕上げに、足の裏をしっかりマッサージしましょう。
マッサージの時に指をすぐに離さずに、一箇所に指を5秒ぐらい当てたままにして
足の裏の緊張をよく感じましょう。どこが硬いか調べるように。
そこまでしてから、ピアノの椅子に座ってみてください。
いつもよりも身体が軽くなり、横隔膜のエクササイズも効果が出やすくなるはずです。
体操などをやっていて、前屈やアキレス腱伸ばしぐらいは簡単にできるけれど、
でも演奏中、身体に力が入るという人は、、
手をグーにして、太腿の前後左右、ふくらはぎの前後左右、腰の周りを丹念にマッサージしてみて
痛いところや、硬いところがあったら、ほぐしてみてください。
その後、前屈やアキレス腱伸ばしの動きをイメージしましょう。実際には身体は動かしません。
身体に緊張が起こらないように、動きのイメージの練習を重ねると
実際に動いてみた時に、いつもとちょっと違う動きになるはずです。
身体が柔らかく動くけれど、力が入っている人は、「あまり動かない場所」をかばうように、他の場所が
過剰に働いていることが多いです。
そのような不均衡な状態は、上半身を楽にしてくれるほど「下半身が機能している」とは言えませんし
いつも過剰に働いている場所を傷めることもありますから、丁寧に動きを見直すことが重要です。
動きは、一見して同じように見えても、働いている筋肉のバランスはそれぞれ違います。
そして、演奏に影響を与えるのは「動くかどうか」ではなく
どんな筋肉のバランスで、それが行われているかなのです。
下半身のエクササイズを続けると、自分が演奏中に力を入れてしまったとき、それに気づくことが
できるようになっていきます。
いつも当たり前のように入っている力みに気づくことは、とても困難です。
今回は下半身について説明しましたが、下半身に限らず
無駄に力を入れてしまったことに瞬時に気づけるつける力を身につけることは、
楽に演奏できるようになるためには、とてもとても大切です。
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横隔膜の緊張に気づくだけで、大きな変化がある人もいますが、実はそうでもない人もいます。
その違いは「演奏中、下半身がどのぐらい機能しているか」ということにあります。
下半身が機能している時、身体全体はその働きに支えられるため、上半身には力が入りません。
ヒトの身体は、下半身が機能していれば、上半身を自由に使って作業ができるようにできているのです。
どうやっても横隔膜が緩まない、「みぞおち」が緩まないということは
下半身が身体をうまく支えておらず、上半身が頑張っているという証拠です。
下半身が身体を支えていないのに(=機能していないのに)、上半身まで緩めたら
私たちは椅子から落ちてしまいます。
人の脳は「私たちが転倒して怪我をしたり命を落としたりしないように」
常に見張っており、働いているので、下半身が働いていない時には絶対に
上半身が緩むことを許しません。
では下半身が機能するとはどういうことでしょう。
座っている時には身体の重さは椅子の座面に伝えられます。
つまり立っている時の足のような働きをお尻が担います。
立っている時、足が不安定だったり、変な位置にあったら身体が支えられないように
座っている時には、お尻=骨盤が不安的だったり、変な位置にあったら
身体をうまく支えることができません。
骨盤は、足のように自由に動いて自分でバランスを取ることはできず
骨盤のバランスは脚と足部(靴を履く部分)によってとられます。
つまり座った時に「下半身が機能する」とは、骨盤を脚と足部(靴を履く部分)が
しっかりと支え適切な位置にコントロールしてくれる状態のことを言います。
足をつかずにフワフワのソファなどに座った時に、身体をうまく
支えられなかったことがありませんか。そして、その状態で身体を支えようとした時
上半身に力が入ったのではないでしょうか。
これが下半身が機能していない状態です。
演奏中に下半身が機能しない時、程度は違いますが、これと同じことが起きています。
同じ状態でも足を床に着くと、状況は変わります。
足部と脚が骨盤を支えてくれ、コントロールもしてくれるので
上半身の緊張もかなり軽減されます。
このように下半身の働きは上半身に大きな影響を与えます。
私たちは演奏中、床に足を着いているように見えますが
(本当に着いていない人も時々いらっしゃいますが)
実はあまり機能していないことが多いようです。
ピアノ演奏には、下半身を緊張させてしまう可能性がたくさんあります。
ずっと膝を曲げて座っているため、膝周りの筋肉が硬くなって動きにくくなったり、、
精神的な影響でお尻に力が入ったり(大臀筋と繋がる靭帯は脛の骨まで繋がっています)
眉間にシワを寄せることで背骨の一番下の骨である仙骨まで動かなくなったり(眉と背骨は筋膜レベルでつながっています)
とにかく油断すると、すぐに下半身が機能しなくなりがちです。
下半身が機能しないまま練習していると、それはどんどん強化されてしまうので
身体の緊張が気になるならば、まずは、太腿、膝下、足部の筋肉を緩めましょう。
はじめに、太腿とお尻を伸ばします。
脚を前後にずらした状態て立って、前屈しましょう。
難しいことは考えないで、とにかく太腿の後ろとお尻を伸ばしましょう。
足は交代して、両方行いましょう。
はじめに右足を前に出したなら、次は左足を前に出して行いましょう。
それができたら、今度は体育の授業でやるような「アキレス腱伸ばし」を行い
ふくらはぎを伸ばしましょう。
アキレス腱はふくらはぎの筋肉から繋がっている腱です。
アキレス腱につながる筋肉の一つ(腓腹筋)は、膝の屈曲の働きを持っていますから
アキレス腱伸ばしの姿勢で、ふくらはぎが伸びたら、膝も伸ばしていきましょう。
もしも痛くてできなかったら、決して無理をせず
アキレス腱伸ばしの姿勢のまま、動きだけ想像してみてください。
そのときに身体のあちこちが緊張することでしょう。
それを感じながら、アキレス腱伸ばしをイメージしながらも、ふくらはぎや太腿、、それ以外にも
身体の緊張が起こらないようにイメージの練習をしましょう。
イメージしても緊張が起こらなくなれば、実際の運動もスムーズにできるはずです。
仕上げに、足の裏をしっかりマッサージしましょう。
マッサージの時に指をすぐに離さずに、一箇所に指を5秒ぐらい当てたままにして
足の裏の緊張をよく感じましょう。どこが硬いか調べるように。
そこまでしてから、ピアノの椅子に座ってみてください。
いつもよりも身体が軽くなり、横隔膜のエクササイズも効果が出やすくなるはずです。
体操などをやっていて、前屈やアキレス腱伸ばしぐらいは簡単にできるけれど、
でも演奏中、身体に力が入るという人は、、
手をグーにして、太腿の前後左右、ふくらはぎの前後左右、腰の周りを丹念にマッサージしてみて
痛いところや、硬いところがあったら、ほぐしてみてください。
その後、前屈やアキレス腱伸ばしの動きをイメージしましょう。実際には身体は動かしません。
身体に緊張が起こらないように、動きのイメージの練習を重ねると
実際に動いてみた時に、いつもとちょっと違う動きになるはずです。
身体が柔らかく動くけれど、力が入っている人は、「あまり動かない場所」をかばうように、他の場所が
過剰に働いていることが多いです。
そのような不均衡な状態は、上半身を楽にしてくれるほど「下半身が機能している」とは言えませんし
いつも過剰に働いている場所を傷めることもありますから、丁寧に動きを見直すことが重要です。
動きは、一見して同じように見えても、働いている筋肉のバランスはそれぞれ違います。
そして、演奏に影響を与えるのは「動くかどうか」ではなく
どんな筋肉のバランスで、それが行われているかなのです。
下半身のエクササイズを続けると、自分が演奏中に力を入れてしまったとき、それに気づくことが
できるようになっていきます。
いつも当たり前のように入っている力みに気づくことは、とても困難です。
今回は下半身について説明しましたが、下半身に限らず
無駄に力を入れてしまったことに瞬時に気づけるつける力を身につけることは、
楽に演奏できるようになるためには、とてもとても大切です。
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