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そのパッセージが弾けないのは、顔の緊張が原因かもしれません

2022.09.10.23:51

軽快で快適な演奏のためには、とにかく「背骨」のしなやかさが必要です。

なぜなら背骨は「両手両足と頭の動き」がお互いに干渉しないように
交通整理をしているからです。背骨の働きは、全身が協調的に働くこと、
そして安定的で機能的な姿勢を維持するために大きな役割を果たしています。

ちょっと背骨に力を入れて、歩いてみてください。
何だかぎこちなく、まとまらない歩き方になりませんか。

このように背骨の緊張が起きると、身体の動きの質は驚くほどに低下するため
演奏上の背骨の緊張は、たくさんの問題を作り出します。

腕が疲れる
指に力が入る
音が響かない
リズムが転んでしまう
呼吸ができない
頭がぐらぐら動いてしまう
左右違うタイプの音型を合わせるときに、ぎこちなくなる
弾いていてい何だか不安だ

などなど、技術面から、疲労面から、精神面から
様々なことが起きるのです。
どんなに気をつけても、練習しても今一つスッキリ改善できない
あんな問題もこんな問題も背骨の動きがそこに関わっている可能性があります。

そんなに重要な「背骨」の動きですが、、本当にちょっとしたことで
妨げられてしまいます。

「ここ、苦手なんだよなあ」と思うだけでも背骨は緊張します。
(気持ちがお尻を、お尻が背骨を緊張させる)

和音の連続で苦しくなって息を止めても背骨は緊張します。
(呼吸を止めるとは、背骨に繋がる肋骨の動きを止めること)

弾いているときに足をグーやパーにして固定しても背骨は緊張します。
(足の指が膝を経由して骨盤を緊張させる)

そんなふうに身体のあちこちから、簡単に背骨を緊張させることが
できてしまうのです。

それと同じぐらいパワフルに、しかもこっそり背骨に干渉してくるのが
「顔」です。

顔の中で、マークすべき場所の一つが「眉周辺のエリア」。
眉周辺なので、眉はもちろん、目も眉間も、おでこ入ります。
この場所は身体のコントロールにとても大きな影響を与えます。

この関係を理解するために顔の緊張と運動の仕組みについて少しだけ説明します。

身体にはたくさんの骨や筋肉があり、それぞれに動きますが
実は全部連動しています。
筋肉や骨は、筋膜(骨は骨膜)という薄い膜に覆われ、その膜は全身をひと繋がりに
パックしています。
だから、身体のどこかで起きた現象は、全身に影響を及ぼします。
洋服のどこかを引っ張ると他の部分もその影響を受ける、そんな感じに似ています。
ただし筋膜の影響は無秩序ではなく秩序にのっとって広がっていくと言われおり
その秩序を辿ることで、「その動作ができないのは、どこからの影響を受けてのことなのか」
ある程度特定でき、対処することができます。

これらは、テクニック上のことだけでなく怪我や疲労を含む様々な演奏のトラブルを
改善するためにとても重要な知識です。

さて、一見ピアノ演奏に関係なさそうに見える眉周辺の緊張は、どこへ伝わるかというと
頭のてっぺん、後頭部へと伝わり脊柱起立筋という背骨を動かす筋へと伝わり
さらに太腿の後ろ、ふくらはぎを通って足の裏まで伝わります。

つまり、眉や目や眉間に力が入ると、大事な「背骨」に強い緊張が起きてしまうのです。

下半身を緊張させることは、下半身の機能を低下させることなので
そういう意味からも背骨が動かなくなってしまいます。
「どうしても身体の力が抜けない」と思った時にまずすべきこと
を参照。

表情筋は感情が反映されやすく、眉周辺は、とても力みやすい場所でもあるのですが、
できるだけ緩めておきたい場所です。

もしも、どうしてもうまく弾けない場所があったら、ぜひ眉をチェックしてみてください。



『背骨を緩める眉のエクササイズ』

1.まずは、手をグーにして眉の周り、おでこ、生え際ぐらいまで軽くマッサージ。
 (結構痛いかもしれないので、優しくマッサージしてください)

2.右手で右の眉を、左手で左の眉を触りましょう。
 2、3、4番の指の腹で触ってください。

3.指を眉においたまま、頭の中で弾けない場所の音を鳴らしてみましょう。

 ♪眉が緊張するのがわかりますか?

4.眉が緊張するのがわかったら、ただそれを感じてください。
 曲のどこで緊張するのかな?眉をどんな風にうごかしたくなるかな?という感じです。

 ♪そして、「その眉の緊張、必要?」と心の中で自分に聞いてみてください。

眉の緊張が「必要!」と思えば、それはなくなりません。
もし「いらないなあ」と思ったら、その緊張は次第になくなっていきます。
(これは脳の学習の仕組みによるものです)
 

それでもどうしても、弾けない時は、、、

両手で顔を覆って、目と鼻と口の状態を感じられるように
手を配置してから、苦手な場所の音を脳内で再生してみてください。
そして、心の中で「その緊張、必要?」と自分に聞く。
それをしばらく続けてから弾くと、、
スルスル弾けてしまうこともありますよ!

ぜひ試してみてくださいね。

私がレッスンでよく使う技です。ぜひやってみてください。


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篠原みな子

Author:篠原みな子
作曲・編曲家/ピアニスト
2006/11/11にファーストアルバム「Whispers of Fairies」をリリース

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