fc2ブログ

「ピアノの捉え方」を変えると打鍵動作が変わる

2024.02.12.09:59

「音が固い」「演奏の流れが悪い」
「繊細に歌いたいのになんだかゴツゴツした感じになってしまう」

そんなふうにを思ったことはありませんか。

レッスンで、こんな相談をしてくる方のほとんどは
「深すぎる打鍵」で演奏しています。

ピアノのレッスンでは、しっかり鍵盤を押し下げることに
注意を向けることが多いように思いますが、
実は、しっかり押し下げすぎても問題が起こります。

実際、打鍵が深すぎることは、怪我にもつながります。
へパーデン結節になる人は、打鍵の深さに問題を抱えている
ことがほとんどです。

しかしながら、この基本的な打鍵の深さや、指に入る力が
ある程度定着してしまってから、それを修正するのは
とても難しいものです。

ピアノ演奏は、小脳回路にたくわえた過去の演奏に関する情報を
使って、脳が予測の運動命令を作ることで行われています。
ピアノ演奏の脳の働きは、ある意味、自転車漕ぎのように
無意識で作られる運動命令に支えられています。
それによって、楽譜を見た瞬間にその形に、その幅に指が開き
指を動かすことについて考えることなく、「表現」に没頭することが
できるのです。

指に入る力を変えたいと思っても変わらないのは
弾こうとした途端に、脳が「今までのやり方」を予測するからです。

長年ピアノを弾いていた人は、それだけ予測のための
情報も多く、新しい動きを作ろうとしても、「いつものやり方」を
作り出す、古い情報の影響の方が圧倒的に強いので、そっちに引き戻されて
しまいます。

そんな時に、便利なのが脳の知識です。

この予測の運動命令は、
「対象物の性質とそこに働きかける目的」に合わせて
「腕をどんな軌道で差し出すのか」
「そのためには骨格をどう動かすのか」
「その骨格の動きを実行するために筋肉の働きをどうするのか」
ということを、脳が「過去の演奏情報」をもとに計算することで
作り出しているのではないかと言われています。

脳が参考にする過去の演奏情報が運動命令を変えさせてくれないなら、
「対象物の性質とそこに働きかける目的」を
変化させるというのはどうでしょう。

打鍵が深すぎるのに変えられないと困っている人の多くは
潜在的に鍵盤が重いと思っていたり、必要以上に鍵盤を底まで
押し下げないといけないと思っています。
運動予測を行う時の「対象物の性質」とは、「その人が認識している
対象物の性質」です。みんな鍵盤の重さについては違う認識を持っているので
脳内における、この「対象物の性質」の情報は、個人個人によっておそらく
違うのだと思います。

だから、この「対象物の性質」について考え直すことで打鍵の深さを変化
させることができると私は考えています。

やり方は簡単。

鍵盤を眺めながら、演奏する時の指の動きを思い出してみましょう。
(弾かないで思い出すだけというのがポイント)
そして、自分に聞いてみてください。
「この小さな鍵盤一つを押し下げるのに、そんなに力が必要?」と。
そんなことを考えるだけで、脳に蓄えられている
「打鍵に必要な力」の情報が書き換わります。
そして、弾かずに打鍵の動きをイメージをしながら、鍵盤一つを動かすのに
必要な力がどのぐらいなのか考えてみましょう。
しっかりとイメージできたら、実際の演奏をしてみてください。
打鍵の深さや音色に変化が起こるはずです。

または「対象物に働きかける目的」を設定し直すという方法も有効です。

打鍵が深くなりやすいタイプの人は、「鍵盤に強くフォーカスする」
という傾向が見られます。
「鍵盤というボタンを垂直に押し下げる」ことが潜在的な目的になっていることで
指に力が入ってしまうという人を私は何人も見てきました。

そういう場合は、
「鍵盤を押し下げ、テコの働きを使ってハンマーを押し上げ
弦を鳴らす」ということを「目的」に設定し直してみてください。
そして、「テコの原理を使って弦を鳴らす時、指はどんなふうに動かせば
よい思う?」
と自分に聞いてみてください。そして「テコを使って弦を鳴らす」のに
見合った力での打鍵をイメージしてみてください。
イメージができたら、実際に弾いてみましょう。
演奏内容や動き、身体の感覚に変化が感じられるはずです。

「指の動きのイメージができない」という人は、「目的を
変えて弾いてみる」ということをお勧めします。
鍵盤にフォーカスするのを一旦やめて、「グランドピアノの弦をきれいに響かせる」と
いうことを「目的」として弾いてみてください。弾いているピアノがアップライト
だとしてもグランドピアノの弦をイメージしてみください。
長い弦をイメージするだけで、全身の動きがのびやかになり
それによって指の動きが変化します。

脳科学には「アフォーダンス」という概念があるそうです。
人は環境に影響を受けており、環境から引き出される動きがあるというような
考え方です。
ピアノという楽器をどう捉えるかで、引き出される運動が変わるということですね。

それぞれの人が自分の心地よい打鍵を見つけられますように。




♪ピアノと身体の関係にご興味がある方は無料モニターレッスンを受けてみませんか?

コンフォータブルパフォーマンスメソッド

遠方の方はオンラインでも対応しています。
スポンサーサイト



comment

Secret

篠原みな子のCD

Whispers of Fairies

2500円 好評発売中!

FC2カウンター
プロフィール

篠原みな子

Author:篠原みな子
作曲・編曲家/ピアニスト
2006/11/11にファーストアルバム「Whispers of Fairies」をリリース

最近の記事
最近のコメント
カテゴリ
最近のトラックバック
月別アーカイブ
オススメ情報

おそうじ楽々。しかも地球もきれいになっちゃいます。

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
RSSフィード
リンク